平塚盲学校 on the web

 

学校だより

4月号   5月号   6月号   7月号   9月号

10月号   11月号   12月号  1月号   2月号   3月号

学 校 だ よ り ―7月号―

 


 

伝統を大切にし、そして新たな取り組みを」

教頭 鈴木健一郎

 

梅雨の季節となると青梅の季節でもあります。我が家では今年も梅干し作りに取り組んでいます。5年前に梅干し作りに挑戦し、何とかうまくできてからは、味噌作りも始めました。この味噌作り、ゆでた大豆をつぶすのが手間のかかる所で、手でマッシャーを使ってつぶすのが大変でした。そんな時、インターネットで調べてみると、餅つき機を使うと良いということを知り、簡単に多くの量を作ることができるようになりました。伝統的な食品を手作りすることは、なかなか手間のかかるものですが、そこに新しい視点、発想、道具を使うことにより、良さを残しつつ、手軽にできることで継続した実践につながるのではないかと思います。平塚盲学校も「107歳」。これからも、伝統を大切にしつつ、そこに新しい視点、発想などを取り入れ、平塚盲学校ならではの教育活動を実践していければと思っています。皆様のご協力をお願いします。

さて、526日に東京都立文京盲学校で関東甲信越地区盲学校副校長・教頭会研究協議会がありました。文京盲学校の最寄り駅はJR飯田橋駅、東京ドームのすぐそばにあり、大都会の真ん中にあります。地下2階地上6階の建物で、6階にプール、4・5階に寄宿舎、3・2・1が学校の各教室や職員室等、そして、地下1・2階が体育館となっており、とても機能的な工夫された建物となっていました。教材教具なども新しく、隣の芝生は青く見えるといいますが、ついつい本校と比較してしまいました。しかし、本校も他の学校の方から見ると周囲の環境など良い面もたくさんあるということで、良い面と改善すべき点と両面からの視点をもっていきたいと思います。

盲学校副校長・教頭会研究協議会での情報交換等で話題になったことですが、

各校における

・啓発活動、広報活動について

・避難訓練の実際について

・全国学力・学習状況調査の状況について

・平成30年度理療科教育課程編成の進捗状況について

・幼児児童生徒の募集について

各校の状況は、地域性や学部設置の違いなどいろいろ違いもありますが、共通課題も多く、それぞれの取り組みの工夫など情報交換をすることができました。ここで得た情報などを有効活用できるようにしていきたいと思っています。

 

7月号終わり

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学 校 だ よ り ―6月号―

 

 

「弁論大会から思うこと」

副校長  安藤 徹

 

6月に入りました。皆さんご存知の通り、6月8日は平塚盲学校の107回目の誕生日(開校記念日)です。人間の場合「107歳」となればかなりの高齢ですが、私たちの平塚盲学校はこれからまだまだ150歳、そして200歳へと成長・発展していくことと思いますので、今後とも皆でこの学校を元気にしていきましょう。

 さて、少し前のことになりますが、5月9日に行われた「校内弁論大会」では、中学部や高等部普通科の生徒の皆さん8名が弁士となり、日ごろの思いや目標・夢などを言葉にして皆の前で堂々と主張や表現することができました。緊張した面持ちながら、ひと言ひと言の言葉に気持をこめて、自分が伝えたいことを伝えようとしている姿に感動し、あらためて言葉には「力」があることを実感しました。

 ところで、昔から日本人は「自己主張や自己表現をするのが苦手」とよく言われてきました。それは、あまり自己主張をしすぎないほうが人間関係がうまくいくと思っている人が多いということもあるでしょうし、周囲の人の意見に合わせたり、必要以上に相手を立てたり、同調するほうが波風を立てずに事が進み、自分自身も楽だからということもあるのだと思います。ただ、その一方でうまく自己主張や自己表現できずに、自分の意図しないことにも従いながら「本当はこんなはずではなかった」、と心の中に不満やストレスを溜め込んでしまう場合も多くあります。

 本来「自己表現」というのは自分の内面にある感情や思考などを一つの形にして外に表わすということで、その手段として言葉はもちろん、音楽や美術などの芸術作品であったりと人それぞれの形があります。今回の弁論大会の弁士の皆さんの言葉、合唱部のメンバーの歌声、美術の時間に描いた絵・・・などなど、まさに皆すばらしい「自己表現」だと思います。

ところで、皆さんは「自分も相手も大切にする、さわやかな自己表現」と呼ばれる  『アサーション(assertion)』という言葉による一つのコミュニケーション・スキルをご存知でしょうか?

簡単に言うと、Iメッセージ(「私」を主語にした表現)と  YOUメッセージ(「あなた」を主語にした表現)を組み合わせ、相手のことを配慮しながら、自分の欲求・考え・気持ちなどを率直に、正直に、その場に合った適切な方法で表現することにより自分も相手も尊重するコミュニケーションです。2001年大相撲夏場所表彰式で、小泉元首相が怪我にも負けず優勝した貴乃花に向かって言った「(あなたは=YOU)痛みに耐えて、よくがんばった。(私は=I)感動した。」という言葉は現在でもよく知られています。とても優しい、心に響く言葉でしたが、これこそ代表的なアサーションの例です。

 どんな自己表現や自己主張でも、それが相手の心に響き、相手に伝わった時にこそお互いがお互いのことを大切にし合えたという実感を得られるのではないかと思います。皆さんもこれからいろいろなことに挑戦し、その中でどんどん自己表現をしていってください。

 

6月号終わり

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学 校 だ よ り ―5月号―

平塚盲学校とケニヤとスリランカのこと

 

                                              校長 村上 結

 

幼稚部の教室から、日々、明るく楽しそうな声が聞こえます。教室いっぱいに広がる「カラフルなフワフワトランポリン滑り台」も、幼児の順番を待つ顔に少々誇らしげな様子に見えます。平成29年度5月、平塚盲学校の幼稚部は4名増で8名に、職業教育を行う理療科は5名増で30名に、その在籍者を増やしました。これからも、早期教育相談と職業移行教育を大切にすると共に、小学部・中学部・高等部普通科においては、小中高等学校との連携に最大限配慮してまいります。そして、「平塚盲学校はいつでも開かれていて、いつでも待っています。必要な時に思い出してください」という姿勢を、ていねいに示し続けようと考えています。

 

今年の3月、平塚市在住でJAICA(海外青年協力隊員)の活動もされている、KAYA治療院の院長栢之間理沙さんが、アフリカのケニヤを訪れ、マチャコスにある盲学校へ行きました。そこで、20年前に平塚盲学校を卒業したフィリーさんに会いました。フィリーさんは平塚盲学校で三療(あんま・マッサージ・鍼灸)の技術を学び帰国し、いま、ケニヤの国連関係の施設で仕事を続けています。栢之間さんは、平塚盲学校が広く海外から視覚障害者を受け入れていることに、大変感激され連絡をくれました。韓国、ミャンマー、ケニヤ、ネパール、モンゴル・・・ 多くの留学生が平塚盲学校で学び帰国し自国の視覚障害者のために仕事をしています。

 

4月には、アジア太平洋障害者リーダー育成事業により、視覚に障害(全盲)を有する30代の男性教員が、スリランカから研修のため平塚盲学校を訪れました。「スリランカには、テロや内戦による視覚障害者が現在12,000人以上いることから、しっかりとした視覚障害教育を行う事が急務だ」と話されていました。その人数は、平成28年度全国盲学校幼児児童生徒在籍数2862名の4倍以上になります。これを機会に、少しでも指導法・教材・情報等をスリランカへ提供出来ればと思います。

 

 5月1日付け神奈川新聞「教室に行こう」では平塚盲学校理療科の授業が取上げられています。そこで、理療基礎実習「はり実技」の際に「切皮の音を聴く」と指導されることが紹介されています。人の体内に異物を入れることへの緊張感を持ち、はりを皮膚に刺す時の音を聞き取る如く指先の感覚を研ぎ澄ますという教えです。

 

今後も、乳幼児期からの取組みと職業移行教育の必要性について広く理解啓発を進めると共に、在籍する幼児児童生徒の一人ひとりにていねいに向き合い、静かに、深く、しみいるが如くの教育実践を目指します。今年度も、よろしくお願いします。

 

5月号おわり

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学 校 だ よ り ―4月号―

 

 

 


       「気持ちを新たに・・・」

 

教頭 鈴木健一郎

 昨年度、新任教頭として着任いたしましたが、2年目の春を迎えることができました。あらためてよろしくお願いいたします。平塚盲学校の早咲きの桜「春めき」が満開になりました。そしてソメイヨシノが見事に花を咲かせるころに新入生、新転入の職員を迎えます。皆さんよろしくお願いいたします。

さて、昨年度は合唱部の神奈川県高等学校総合文化祭総合開会式での発表、湘南スターモール商店街や大原公民館祭りに保専部生徒の「クイックマッサージ」での参加 パラスポーツ体験教室などのオリンピック・パラリンピック関連行事など、様々な課外活動がありました。今年度も引き続き、様々な課外活動の予定があります。幼児児童生徒の皆さんが、楽しく積極的に参加できるように取り組んでいきます。ぜひ、よろしくお願いいたします。

 

 

「今年度もどうぞよろしくお願いします」           

副校長 安藤 徹

 

   平塚盲学校で3年目を迎えますが、この2年間で幼児児童生徒の皆さんがいろいろな場面でまっすぐな気持で、何事にもひたむきに取り組む姿を見せてもらい、私自身感動や勇気をたくさんもらいました。

平塚盲学校は小さな学校だけれど、たくさんの「あい・愛・I」がつまっている学

校だと思います。「ふれあい」「助けあい・支えあい」・・決して一人だけではでき

ないこと、この学校で仲間と一緒にたくさん経験してほしいですね。そして、幼児児

童生徒の皆さんと保護者の皆様、そして教職員で「チーム平盲」をあい言葉に、たくさんのにあふれた学校にしていけるように努めていけたらと思います。でも、何よりも一番大切なのは私(I)だと思います。これからもどんなことにも主体性を持って、そして自分を大切にして何事にも取組んでいきましょう。今年度もどうぞよろしくお願いします。

 

かけがえのない「わたし」について              

校長 村上 結 

一人ひとり誰もが、かけがえのない「わたし」です。そして一日一日は、その「わたし」にとって、とても貴重な時間です。学校は、かけがえのない「わたし」と、その貴重な時間で成り立っています。「わたし」がかけがえのない存在であるように、わたし以外の全ての「あなた」もまた、かけがえのない存在です。学校という公共空間で時間を共有する上で大切にしなければならない事は、学ぶこと・働くこと・地域社会へつながることへの「相互認証」です。

平成29年度も、平塚盲学校は秋山校主の「やさしい気持ちで、人と接するように」という言葉を忘れることなく、かけがえのない幼児児童生徒一人ひとりが、その最善最適な形で地域社会へつながる事を目指します。

 

4月号おわり

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学 校 だ よ り ―3月号―

  生命の利他性  − みんな一緒に生きているという感覚 −

 

校 長 村上 結

 

さくらの木を見あげると、青空に微かに薄ピンクの蕾。今年は、どんな陽射しに咲きどんな風に吹かれ散るのか・・・ 春は、誰もが大きな期待と、小さな不安の中にいます。平塚盲学校は、この3月、15名の卒業・修了生の背中を見送ります。そして4月には、25名を超える新入生を迎える予定です。ひとは「さようなら」を繰り返しながら、新しい出会い、新しい時間(もしかしたら、新しい自分)の始まりを、予期します。 

 

以前、何かの雑誌で「利他行動は自分自身を幸福にする… 利己的な傾向を持つ人はそうでない人よりも、主観的な幸福感が低い… 」と書かれた、認知的焦点化理論の特集記事を読み、これは面白いと、ひとりで妙に納得していました。その後、暫くして、みなとみらい駅(地下4階)への大深度エスカレーター壁面に書かれている、シラーの詩に関するコラムを新聞で読みました。すると、18世紀の詩人の詩が、21世紀の社会学の研究と、ほぼ同様の内容を表現していて、何か不思議な感覚に包まれたことを覚えています。今回は、それを紹介したいと思います。

 

その詩にあるのは、生命の源である植物が、太陽のエネルギーを受け自然に還し、惜しみなく虫や鳥に与え、水や土を豊かにする… その利他的な振る舞いを称える言葉でした。もし植物が利己的に振舞い、その成長に必要な光合成しかしなかったら、地球の生命に多様性はもたらされていなかった。生命は本質的に利他的なのだという、その詩は生命の循環の核心を捉えたものでした。

 

 学校は、大きな社会の中にある小さな公共空間です。一人ひとりが、配慮する社会関係軸を周囲の人へ広げ、配慮する時間関係軸を現在から未来へのばす。時に、過去に遡らせる… 一見静的に見えるが、お互いの社会的・時間的・心理的配慮領域が広がり続けている… そんな学校組織、環境設定が出来たら理想的だと思います。

 

卒業・修了するみなさん、おめでとうございます。

また、学校という小さな公共空間から、大きな社会へと向かう人たちへ、「みんな一緒に生きている」という感覚を忘れないでください。これからも、たくさんの人に助けてもらい、たくさんの人に「ありがとう」を伝えましょう。

 

そして自分自身、そのたくさんの人の一人であることに誇りを持ち、生きてください。

 

3月号おわり

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学 校 だ よ り ―2月号―

 

少し先の未来に

 

総括教諭 中村直美

ロンドンの街を、白い杖をつきながら歩くサングラスをかけた男性。時折立ち止まり、音がした方を向いてサングラスのつるをなぞると、納得したような表情を浮かべながら再び歩き出す。…今年元日の日本経済新聞に掲載された「失った視力、ネットが補う」という見出しの記事の一文です。先ほどの男性は、7歳で視力を失い「周りで何が起こっているかをいつでも教えてくれるものを作ることを夢見てきた」サキブ・シャイク氏。米マイクロソフトの英国拠点に勤めるソフトウエア技術者です。シャイク氏がサングラスのつるをなぞって写真撮影しクラウド(インターネット上でデータ処理をしてくれる所)に送信すると、クラウドで何が写っているか写真を解析し、「男性が犬を連れて歩いています」など状況を音声で教えてくれるという仕組みです。まさに夢を現実のものにしようと、実用化にむけてシャイク氏らのチームは日々性能や使い勝手を検証しながら実用化にむけて取り組んでいるそうです。パソコンやスマートフォンなどに限らず、家電、車、衣服まであらゆるものがインターネット上で操作できるようになるというIoT(インターネット・オブ・シングスの略)紹介のシリーズ1回目に掲載されていました。

 

 

 

 

日本経済新聞201711日より

              

 

すでに利用している方もいらっしゃると思いますが、視覚障害者向け画像認識カメラのアプリ「TapTapSee」では、識別したい対象にカメラを向け、画面を2回タップして写真を撮ると、『赤いリンゴを持った、黒いポロシャツの男性』など、2〜30秒待つと音声で教えてくれます。「手元にある紙に、何が書いてあるんだろう?」と知りたい時は、「スキャナ&翻訳」というアプリが教えてくれます。紙を写真で撮るとその中の文章を簡単にデジタル文字データとして変換して、さらに90カ国語以上の言語に翻訳も可能。紙ベースの資料をiPhoneiPadで読み上げることができます。「あったらいいな」が、次々と現実のものになってきている少し先の未来が楽しみです。

 

最後に、夢の実現に向けて着々と活動している方が身近にいるのでご紹介します。柿島光晴さんです。柿島さんは20才で網膜色素変性症を発症し、数年後に失明。その頃テレビ放映されたアニメ「ヒカルの碁」の音声で興味を覚え、碁会所に通って約12年間でアマ四段になったそうです。「視力の有無にかかわらず囲碁を楽しめる環境を作りたい」と視覚障害者向けの囲碁セット「アイゴ」を普及しながら、一昨年本校文化祭での囲碁教室を皮切りに、各地の盲学校を巡回指導されています。本校寄宿舎で囲碁を指導してくださっているボランティア代表の木谷正道氏とともに、今年3月には広島県福山市で中部・関西・中国盲学校生徒の大会、5月には岩手県大船渡市で全国盲学校囲碁大会を開催されます。本校からも指導を受けている生徒たちが選手として出場できるといいなと思っています。皆さんの夢の実現の手助けとなる情報教育、囲碁教室を今後もバックアップしていきますので、本年もよろしくお願いいたします。

 

2月号おわり

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学 校 だ よ り ―1月号―

 

   今年もどうぞよろしくお願いします

                                                              副校長 安藤徹

新しい年、平成29年(2017年)がスタートしました。

皆さんはどのようなお正月そして冬休みを過ごされたのでしょうか。今年も、幼児児童生徒の皆さんが描く夢や目標に向かって一歩でも二歩でも前進していけるよう応援していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 さて、同じ県立学校の動向として、すでにご存知のかたも多いとは思いますが、今年4月から「県立高等学校改革I期」が本格的に始動します。その中でも特筆すべき点は『インクルーシブ教育実践推進校』(3校:茅ケ崎高校・足柄高校・厚木西高校)に1期生(知的障害のある生徒・各学校20名程度)が入学し、障害の有無に関わらず同じ場で高校教育を受けるという新しい教育システムがスタートすることです。また、昨年12月には高等学校における通級制度が法制化されるという内容の文部科学省令も公布(平成30年4月施行)され、今後数年でインクルーシブ教育に向けた取組みがどんどん加速していきそうな勢いです。

 ところで、「インクルーシブ教育」という言葉と同じくらい私が最近よく耳にする言葉が「2020年東京オリンピック・パラリンピック」です。昨年8月のリオでのオリンピック・パラリンピックが終わるとすぐに、「次は東京だ。急げ!!」と言わんばかりの勢いで、いろいろな場面で東京オリンピック・パラリンピックの話題が報じられています。

 そのような中で12月17日(土)には、神奈川県(スポーツ局)主催の「パラスポーツトライアル2016inかながわ」というイベントが本校を会場にして開催され、体育館では柔道、グラウンドではブラインドサッカーの体験会が行われました。本校の幼稚部から小中学部・高等部の幼児児童生徒の皆さん(約10名)も参加し、一流選手から直接指導を受け、目を輝かせながら練習していました。この日の様子はTVKニュースでも取り上げられ、「この中から未来のパラリンピアンが生まれるかも・・」とのコメント「メダルイラスト」の画像検索結果もありました。

 その時の講師として来校された、リオ・パラリンピック柔道銅メダリストの廣瀬順子さん。持参した「ブロンズ(銅)メダル」を参加者一人ひとりに触らせてくれました。

「重い・・」とか「大きい・・」皆さんが持った印象はそれぞれでしたが、練習後に「実はこのメダル、振ると音がするんですよ」と教えてくれました。中が空洞になっていてそこにスチール球(鉄玉)が入っているために音が出るもので、若干の音の差で金か銀か銅か区別できるようになっているものでした。そして、リオ・パラリンピックの視覚障害者の競技種目のメダルには全てこのような工夫がされているとのことでした。「振って音がする・・・」、ちょっとした工夫ですが、その音を聞いて、廣瀬さんは自分が銅メダルを取ったことを実感できて、一晩中嬉しくてたまらなかったそうです。

 この話を聞き、昨年4月に障害者差別解消法が施行されたことにより、障害者に対する合理的配慮について以前より少しずつ世間の関心が高まってきてはいますが、このメダルのようにちょっとした工夫やアイデアさえあればそれぞれの人が感じられる充実感や達成感は大きく変わってくるものだとあらためて教えられました。

 

1月号おわり

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学 校 だ よ り ―12月号―

 

「課外活動」と「学校の歴史その2」

教 頭  鈴木健一郎

 

 10月29日()、横浜の県立音楽堂で平成28年度神奈川県高等学校総合文化祭

「総合開会式」がありました。式典の部で知事の挨拶などがあり、公演の部では森村学園中高等部管弦楽部の演奏や生徒委員による手話コーラス、全国高校総合文化祭の報告など、そして、昨年度「かながわ部活アクティブ賞」を受賞したこともあり、本校合唱部も出演しました。1曲目は部員5人のアカペラで「上を向いて歩こう」、2曲目は生徒委員のメンバーと一緒に「手紙」の合唱でした。透明感のある歌声、美しいハーモニーに惹きつけられ、感動しました。感動は私だけでなく、会場全体に感動の輪が広がり、拍手がひときわ大きく長かったと思います。終了後、様々な方から「すばらしかった。感動しました。」とお言葉をいただきました。また、音楽堂のステージスタッフの方が「すばらしい歌声に感動しました。5人の生徒さんの歌声が音楽堂の音響とぴったりでした。」というお話も後日うかがいました。

 さて、この感動をもう一度ということで、12月11日()、小田原市民会館3階・小ホールで「第8回神奈川県障害者文化・芸術祭」に出演予定です。応援よろしくお願いいたします。

 文科系だけでなく、運動系の課外活動でもがんばっています。関東地区の各体育大会(水泳、フロアバレーボール、陸上競技など)に出場しています。

 今年度は会場が茨城県など遠方のためなかなか応援が難しいですが、12月10日

(土)横浜市立盲特別支援学校で「神奈川県盲学校STT、フロアバレーボール大会」が開催されます。こちらも応援よろしくお願いいたします。

さて、前回「頌徳碑(しょうとくひ)」と開校記念日についてふれましたが、今回は校舎についてのお話です。現在の校舎(鉄筋コンクリート造三階建)は、昭和43年

(1968年)12月15日落成です。今月、48歳の誕生日を迎えます。まもなく50歳を迎えようとしていますが、日々、皆さんが大切にきれいに使っていることもありとてもきれいな学校だと思います。

それでは、校地、校舎の歴史を簡単に。はじまりは、皆さんもよくご存知だと思いますが、私立中郡盲人学校として、金目村のキリスト教会堂を借用。その後、生徒が増え金目村の育英学校の4教室を借用。大正12年関東大震災、校舎倒壊で廃校寸前までいきましたが、政府の方針や様々な援助もあり、大正13年11月に中郡平塚町新宿字浅間(浅間下)に新校舎ができました。昭和8年4月に県に移管。神奈川県立盲唖学校になり、盲部、聾部の2部制となりました。昭和9年に平塚市平塚(現平塚江南高校)に新校舎落成、移転しました。そして、昭和23年4月に盲部、聾部を分離し、「神奈川県立平塚盲学校」となり、昭和25年に中郡大野町中原下宿(現在の平塚市追分)に校舎新築、移転となり、現在につながります。この歴史ある学校を大切にしていきたいと思います。

 

12月号おわり

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学 校 だ よ り ―11月号―

 

『専門性』の維持向上への取り組みについて 〜その2

                

副校長  安藤 徹

本格的な秋の気配を感じられるようになりました。10月22日の体育祭(ヒラリンピック)には保護者の方々をはじめ、いつも平塚盲学校を支えていただいている多くの方々に来校いただき、幼児児童生徒の精一杯のパフォーマンスに温かい声援や拍手をありがとうございました。

 さて、学校だより10月号では学校長より当校職員の研修・研究の機会としての『プロ盲タイム』についての概要を説明させていただきましたが、これは視覚障害教育の中でも特に「自立活動(※「学習上又は生活上の困難の改善を図る」指導)の領域」にかかわる内容を中心とした知識や技能の習得や伝承の機会としてだけでなく、関連した校内業務の一部をそれぞれのチームが担い、実務的な内容にも取り組んでいるという点が大きな特徴です。ここで、今年度これまでそれぞれのプロ盲タイムのチームがどんなことに取り組んできたのか、またこれから取り組む予定なのか・・・その一部をお伝えします。

@点字チーム・・・校内の点字力テストを主管したり、「介護等体験」では講師として大学生に点字についてわかりやすく説明したりしました。また、校内の教員向け「点字学習会」を夏休み中に数回、企画・運営しました。

A歩行チーム・・・NPO法人「言葉の道案内(略称:ことナビ)」と連携協力しています。夏休み中に歩行訓練の研修会も企画し、歩行に関する知識や技能を高めています。

B弱視チーム・・・読速度テストや漢字力テストを企画・運営しています。今後はそれぞれのテストについて分かりやすいマニュアルを作成していく予定です。

C生活チーム・・・視覚障害者の衣食住に焦点をあて、生活上の工夫などを盛り込んだ「生活マニュアル(仮称)」の作成に取り組んでいます。神奈川県生活技術研究会(略称:生技研)との連携協力も行っています。

D重複障害・早期教育チーム・・・校内の教材・教具や検査器具等を点検・整備しながらリストの一覧表を作成しました。

E情報教育チーム・・・学校に配備されている情報機器(iPadなど)を授業等にどう活用できるかということを中心に研修・研究を進めています。夏休み中に職員向けのiPad活用学習会を開催したり、生技研に参加する中で得たiPad活用技術についてのアイディア等を職員で共有したりしています。

ということで、2年目を迎えるこの『プロ盲タイム』ですが、このような研修や実務経験を学校全体としてどんどんpromote(プロモート:促進する・推奨する)し、職員一人ひとりが真の意味で「視覚障害教育のプロフェッショナル」に近づけるよう努めてまいりますので、今後もお気づきの点がございましたら、遠慮なくご意見等をお聞かせください。

 

11月号おわり

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学 校 だ よ り ―10月号―

 

        『専門性』の維持向上への取り組みについて

校長 村上 結

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専門性:特定の領域に関する高度な知識と経験のこと。それは『権威』を

意味する側面と、職務遂行に必要とされる『職能』を意味する側面がある。

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専門性は様々な分野で求められます。そして、この専門性という言葉は『権威』を意味する側面でも便利に使われ、時には排除のキーワードにもなりえます(うちの専門性は○○にあるから・・・、うちは△△の専門性がないから・・・等々)。平塚盲学校では、その『職能(職務遂行能力)』を意味する側面を、ひろく、大切に考え、学校全体で視覚障害教育に必要とされる力量の維持向上を目指し取り組んでいます。

具体的に今年度から、視覚障害教育推進部に指導分野別の6チームを置きました。そしてプロ盲タイム(プロの盲学校教員としての力量を高める時間)を設け、それぞれが企画する研修会・勉強会に、全職員が参加しています。今回は、その各担当分野と、参加職員人数及びリーダーを紹介します。

1 点字チーム(9名) リーダー 持田和史(理療科)

2 歩行チーム(15名) リーダー 小牧健(理療科)

3 弱視チーム(10名) リーダー 添田勝也(中学部)

4 生活チーム(17名)リーダー 和田明憲(理療科)大野誉子(寄宿舎)

5 重複障害・早期教育チーム(9名) リーダー 本間一大(小学部)

6 情報教育チーム(8名)リーダー 中村直美(寄宿舎L)

各リーダーを中心に、学び合いが活発に進むことを期待しています。4月より話をしていますが、「教員である限り、真摯に学び続け、誠実に教える」ことが何より大切です。日々の営みには、直ぐに結果が出るものとそうでないものがあります。その時点で何の変化も見られなくとも、自分自身に、そして幼児児童生徒に奥深く芽吹いたものが何年も何年も後になって大きな変化をもたらすことが、本当に沢山あります。これからも互いに学び合いましょう。

 

「学ぶことをやめたものは、教えることをやめなければいけない」

ロジェ・ルメール(仏)

 

10月号おわり

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学 校 だ よ り ―9月号―

 

往く夏に思う

                        教務部総括 福島 敏行

 

ジメジメとした梅雨を越えて、肌の焼けるような真夏の日差しが心をも焦がすそんな毎日が続きました。地上では夜明けとともにセミたちが姿を現し、それまで耐えぬいてきた鬱憤を晴らすように大合唱を始める、まさに生命の息吹を感じる一瞬です。

 

一方、世間に目を向けると今年は4年に一度のスポーツの祭典「オリンピック・パラリンピック」開催の年であり「オリンピック」が8月5日から21日までの日程でブラジルのリオデジャネイロで開催されていました。(パラリンピックは9月7日から18日までの予定です。)アスリートたちは何年もかけて自らの身体を鍛え抜き、自分の力を信じ、その技は一瞬の輝きとともに私たちの脳裏に写してフィールドから去って行きました。

 

ところで、オリンピックが4年に一度開かれる理由は?

調べてみると古代ギリシア人が太陰歴を使っていたからという説が有力でした。当時は太陰暦と太陽暦が使われていて、現在、一般的に使われている太陽暦の8年が太陰暦の8年と3カ月にほぼ等しいことから、8年という周期が重要な意味をもっていたのです。そして、その暦を司る神官によって8年ごとに祭典が開かれるようになり、その後、半分の4年を単位とする周期をオリンピアードと呼んで祭典を催すようになりました。これが現在のオリンピックの基になったといわれています。

 

さて、本校では今年は体育祭開催の年です。こちらの方は2年に1度の周期で文化祭と交互に開催しています。(体育祭は1022日土曜日を予定しています。)普段の授業では見られない幼児・児童・生徒の輝ける活躍を披露してくれることでしょう。

 

新学期も始まり、真夏の日差しも弱まったところで夏の間にたまった疲れをとり、身体の調子を整えるため、たまにはスポーツをするというのはいかがでしょうか?

「スポーツ」の言葉の由来は“日常から離れる、すなわち気晴らしをする”ことだそうですので、あまり気張らずに新学期を元気で迎えていただければ幸いと思います。

 

9月号おわり

 

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